沖縄の泡盛 17年連続出荷減 将来はどうなる!?
2022年4月13日、沖縄県酒造組合は2021年の泡盛総出荷量(アルコール度数30度換算)を発表した。
総出荷量は1万2648キロリットル(前年比8.5%減)で、内訳は、県内出荷1万63キロリットル(9.4%減)、県外出荷2千530キロリットル(5.4%減)、海外出荷54キロリットル(52.3%増)となった。
2004年(平成16年)のピークから17年連続で減少し、ピークから半分以下にまで落ち込んでいる。
海外出荷については、泡盛が国の輸出拡大戦略に指定されたことや「琉球泡盛海外輸出プロジェクト」での販路拡大の取組みが奏功したとしているが、海外への出荷量は全体の0.43%に過ぎず、費用対効果が見合っているか気になるところだ。
酒造組合構成員の経営状況は、44社中31社(70.4%)が営業赤字となり、3年連続の赤字、損失額は2億9千万円(前年比▲100万円)とのことだ。
組合は、出荷が減少となった理由を、価格競争激化や新型コロナウイルス感染拡大に伴う飲食店の営業自粛、外食や観光需要の減少、原資材の高騰、設備稼働率の低迷などを挙げているが、17年間減り続けている真因は他にあるのではないか。
ただし、アルコール飲料の販売不振は、泡盛に限ったことではない。国税庁が公表している酒別の消費量データでは、焼酎、日本酒、ビール・発泡酒は、泡盛同様に出荷が減少傾向にある。20代の人の飲酒習慣の割合が非常に低く、若い世代は、飲酒回数や飲酒量が少なくなっていることが背景にある。
泡盛業界は、酒税軽減措置が終わる10年後には淘汰され、企業体力のある数社しか生き残れないだろう。
出典:
沖縄県酒造組合: https://okinawa-awamori.or.jp/shipment_data/
国税庁の「酒のしおり」消費量推移: https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2022/pdf/000.pdf
経済産業省 経済解析(縮小傾向の国内酒類市場): https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20210906hitokoto.html